
身内を亡くした年の年末が近づくと、頭をよぎるのが喪中はがきのことです。毎年10月頃から、以下のようなご質問が増え始めます。
「いつまでに出せばいい?」
「どこまでの親戚が喪中になる?」
「文面はどう書く?」
この記事では、喪中はがきの基本から、そのまま使える文例、出しそびれた場合の対処法までをまとめました。喪中はがきは11月中〜12月上旬に届くように出すのがマナーです。このようなマナーの多くは「相手への思いやり」が型になったものです。型ができたその背景を知れば、迷いは消えます。
この記事の要点は以下の通りです。
- 喪中はがきは「年賀状を控えます」という欠礼の挨拶状です。したがって、相手が年賀状を準備し始める前、11月中〜12月上旬には届くようにしましょう。
- 出す範囲の目安は、故人様から見て2親等以内の親族です。ただし最終的には「悲しみの深さ」で決めてよいでしょう。
- 出しそびれた場合は、松の内が明けてから寒中見舞いでお詫びと報告をする方法もあります。
*「松の内」とは、正月の松飾りを立てておく期間です。元々は元日から15日まででしたが、現在は元日から7日までの地域もあります。
喪中はがきとは|本当の意味を知ると書き方が分かる

喪中はがきの正式な役割は「年賀欠礼状」です。つまり「喪に服しているため、新年のお祝いのご挨拶を遠慮させていただきます」と、先方へ先にお詫びをしておく挨拶状です。
誤解している方が多いのですが、喪中はがきは「死亡通知」ではありません。訃報を知らせるための書面ではなく、あくまで「こちらから年賀状を出せないことのお詫び」なのです。この本来の意味が分かると、次のことがすっと理解できます。
- 出す時期が「相手が年賀状を書く前」である理由:相手に無駄な一枚を書かせない配慮だから
- 葬儀の詳細や死因を書かない理由:通知状ではなく挨拶状だから
- 相手から年賀状が届いても失礼にあたらない理由:相手に「出すな」と求める文書ではないから
つまり喪中はがきとは、徹頭徹尾「相手への配慮」でできている習慣です。この軸さえ持てば、細かなマナーに迷ったときも「相手にとって親切かどうか」で判断できます。
いつまでに出す?|逆算スケジュール

年賀はがきは例年11月初めに発売され(2027年用は11月2日)、その頃から年賀状の準備を始める方が多くなります。そこから逆算すると、11月中に投函し、遅くとも12月上旬には届くのが理想的なスケジュールになります。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 10月 | 出す範囲の確定・住所録の整理・はがきとデザインの手配 |
| 11月 | 印刷・宛名書き・投函 |
| 12月上旬 | 喪中はがきの到着 |
| 12月に入ってから不幸があった場合 | 喪中はがきは間に合わないため、年明けの寒中見舞いに切り替え |
12月に入ってから身内に不幸があった場合は、無理に喪中はがきを出す必要はありません。すでに相手が年賀状の準備を終えている時期で、欠礼の挨拶が本来の役目を果たせないからです。この場合は年が明けてから寒中見舞いでお知らせします。
どこまでの親族が「喪中」になる?

一般的な目安は、故人から見て2親等以内です。
| 親等 | 続柄 | 喪中とする慣例 |
|---|---|---|
| 配偶者、1親等 | 配偶者・父母・子・配偶者の父母 | 喪中とするのが一般的 |
| 2親等 | 兄弟姉妹・祖父母・孫・それぞれの配偶者 | 喪中とすることが多いが、同居の有無などで判断が分かれる |
| 3親等以遠 | おじ・おば・いとこ など | 喪中としないのが一般的。ただし親しさによっては喪中としてもよい |
ただし、これはあくまで慣例です。現代では「悲しみの深さと関係の近さで決めてよい」という考え方が主流になっています。別居の祖父母なら喪中にしない方もいれば、同居していた祖母を深く悼んで喪中とする方もいます。どちらも間違いではありません。
また、夫婦連名で出す場合、妻側の親族の不幸をどう書くかという実務的な問題があります。続柄は差出人の筆頭者(多くは夫)から見た書き方にするのが慣例で、「義父」「妻の父」あるいは名字を添えて「岳父(がくふ) ◯◯」などと表記します。
なお、喪中はがきは「身内の不幸を知っている相手にも出す」のが基本です。葬儀に参列してくれた方にも、欠礼の挨拶として出して差し支えありません。一方、毎年年賀状のやり取りをしていない相手にまで出す必要はありません。あくまで年賀状の代わりの挨拶状だからです。
書き方のルールと、そのまま使える文例

喪中はがきの文面は、年賀欠礼のあいさつ・お知らせ・お礼・日付の順にまとめるのが基本です。まずは構成と、使わないほうがよい言葉を確認し、そのあとで文例をご紹介します。
基本の構成と作法
- 年賀欠礼の挨拶(「年賀」ではなく「年頭・新年」を使う)
- 誰がいつ亡くなったか(続柄・名前・享年)※書かない選択も可
- 生前のお礼と、変わらぬお付き合いのお願い
- 日付(「令和◯年十一月」など月まで)・差出人
作法として、お祝いを意味する「賀」の字や「おめでとう」は使わない、前文(拝啓など)や近況報告は書かない、が基本です。
よく言われる「句読点を打たない」「行頭の一字下げをしない」は、儀礼文書の伝統的な慣習で、現代では句読点を使う例も増えています。どちらでも失礼にはあたりませんが、迷うなら伝統に則って句読点なしにするのが無難です。
文例①:標準(続柄・名前を入れる)
喪中につき年頭のご挨拶を失礼させていただきます 本年◯月に 父 ◯◯◯◯が◯◯歳にて永眠いたしました 本年中に賜りましたご厚情に心より御礼申し上げますとともに 明年も変わらぬお付き合いのほどお願い申し上げます 令和◯年十一月
文例②:故人様の情報を書かない場合
喪中につき新年のご挨拶をご遠慮申し上げます 本年中のご厚情に深く感謝いたしますとともに 皆様が穏やかな新年を迎えられますようお祈り申し上げます
家族葬などで広くお知らせしていない場合、文例②のように故人様の情報を伏せる書き方もできます。ただし受け取った側が「どなたが?」と気を揉むことがあるため、お付き合いの深い方には続柄と名前を記した文例①をおすすめします。
続柄の書き方一覧と、連名で出すときの書き方
文面で意外に手が止まるのが続柄の表記です。差出人から見た書き方を一覧にしました。
| 亡くなった方 | 表記の例 |
|---|---|
| 自分の父・母 | 父 ◯◯/母 ◯◯ |
| 配偶者の父・母 | 義父 ◯◯/義母 ◯◯(または「妻 ◯◯の父」) |
| 祖父・祖母 | 祖父 ◯◯/祖母 ◯◯(義理の場合は「妻の祖母」など) |
| 兄弟姉妹 | 兄・姉・弟・妹 ◯◯ |
| 配偶者 | 夫 ◯◯/妻 ◯◯ |
夫婦連名で出す場合、続柄は筆頭の差出人(多くは夫)から見た表記に統一します。妻側のご親族が亡くなった場合に「義父」の表記に抵抗があるときは、「◯◯(妻)の父 ◯◯」と名字を添える書き方にすると、受け取った側にも分かりやすくなります。
お子様の名前は、年賀状では連名にしていても、喪中はがきでは入れない(夫婦までとする)のが一般的です。
また、同じ年に2人のご不幸があった場合は、亡くなった順に連記して構いません。「本年◯月に父◯◯が ◯月に祖母◯◯が永眠いたしました」と1枚にまとめます。それぞれに1枚ずつ出す必要はありません。
はがきとデザインの選び方

喪中はがきには決まった様式はありませんが、慣例として落ち着いた意匠を選びます。郵便局で販売されている弔事向けのはがきや切手には、落ち着いた絵柄のものがあります。種類や在庫は郵便局ごとに異なるため、事前に窓口でご確認ください。私製はがきで出す場合は、弔事用の落ち着いたデザインの切手を貼ります。
紙面のデザインは、白黒やグレーが伝統的な色味です。ただ近年は、故人様の好きだった花をあしらった淡いカラーのデザインも一般的になりました。
「喪中はがきは白黒でなければ失礼」という決まりはありません。故人様らしさを感じられる1枚を選ぶことも、立派な供養のかたちです。
受け取った側のマナー|喪中見舞いという新しい習慣

喪中はがきを「受け取った側」の対応にも触れておきます。返事は必須ではありませんが、近年は年内に「喪中見舞い」としてお悔やみの手紙やお線香・お花を送る習慣が広がっています。
訃報を喪中はがきで初めて知った場合、「何も知らずにいてごめんなさい」の気持ちを年内に届けられるのがこの方法の良さです。
品物を送る場合は、お線香・ローソク・日持ちする菓子など、先方の負担にならない 「消えもの」が選ばれます。当社でも、お悔やみのお花やお線香のご手配を承っておりますので、お気軽にご相談ください。
喪中はがきを出しそびれたら|寒中見舞いでお知らせする

12月の不幸で間に合わなかった場合や、うっかり出しそびれて年賀状をいただいてしまった場合は、寒中見舞いでご挨拶します。出す時期は、松の内が明けてから立春(2月4日頃)までです。関東など松の内を7日までとする地域では1月8日頃から、関西など15日までとする地域では1月16日頃から出せます。
寒中お見舞い申し上げます 昨年◯月に 母 ◯◯が永眠いたしましたため 年頭のご挨拶を控えさせていただきました ご通知が遅れましたことをお詫び申し上げます 寒さ厳しき折 皆様のご健勝をお祈り申し上げます
喪中と知らずに年賀状をくださった方への返礼も、この寒中見舞いで行います。相手は「知らずに出してしまった」と恐縮しているものです。「お気遣いなく」のひとことを添えると、双方の気持ちが軽くなります。
喪中はがきは「出さない」選択もできる

最後に付け足しますと、喪中はがきは義務ではありません。家族葬で静かに見送り、亡くなったことを広く知らせたくない場合もあります。そういうケースでは、あえて喪中はがきを出さず、例年どおり年賀状を出す方も実際にいらっしゃいます。
喪に服すかどうか、どの期間服すかは、本来ご本人とご家族の心の問題であって、形式が先に立つものではないのです。
一方で、長年お付き合いのある方が、後から人づてに訃報を知ったとき「なぜ教えてくれなかったのか」と寂しく思われることもあります。出す・出さないの線引きに迷ったら、「この方が後から知ったらどう感じるか」を物差しにしてみてください。
どちらを選んでも、それがご家族で考えて出した答えなら、間違いではありません。迷われたときのご相談も、当社でお受けしています。お気軽にご相談ください。
喪中はがきについてよくある質問

ここでは喪中はがきについて、お客様からよく寄せられるご質問をまとめました。
喪中に年賀状が届いた場合、失礼になりますか?
相手にも自分にも失礼はありません。喪中はがきは「出すのを控える」挨拶であって、受け取りを断るものではないからです。返礼は松の内明けの寒中見舞いで行いましょう。
メールやLINEで済ませてもよいですか?
普段のやり取りがメール・LINE中心の相手には、それで欠礼を伝えても差し支えない時代になっています。ただし目上の方や、はがきで年賀状をくださる方には、はがきで出すのが丁寧です。
喪中はがきに近況や結婚・出産の報告を書き添えてもよいですか?
慶事の報告は喪中はがきには書かないのが作法です。報告したいことがある場合は、寒中見舞いや別便の挨拶状で改めて伝えましょう。
会社関係・仕事の年賀状も欠礼すべきですか?
個人としてのお付き合いは欠礼が基本ですが、会社名義・部署名義の年賀状は業務上の挨拶として例年どおり出す扱いが一般的です。個人の判断に迷う場合は職場の慣例に合わせましょう。
喪中はがきはどこで作れますか?
印刷店や郵便局、ネット印刷で作成できます。切手部分(料額印面)の絵柄が落ち着いた郵便はがきを選ぶ方が多いです。書き方に迷われた場合は、文面のご相談も当社で承ります。
まとめ|喪中はがきは相手への思いやりを大切に
喪中はがきは、身内を亡くしたことを知らせる訃報ではなく、新年の挨拶を控えることを伝える「年賀欠礼状」です。相手が年賀状を準備する前に届くよう、11月中の投函を目安にしましょう。
出す範囲や書き方に厳密な決まりはありません。一般的な慣例を参考にしながら、故人様との関係やご自身の気持ちに合わせて判断することが大切です。
もし出しそびれてしまっても、年明けに寒中見舞いでお知らせできます。形式にとらわれすぎず、受け取る相手への配慮を忘れずに対応しましょう。
喪中はがきの文面や出す範囲について迷われた際は、プリエールふるさわまでお気軽にご相談ください。
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ご相談ください!!